ヤマハDSP−AX1 バージョンアップ試聴記

AX1

バージョンアップした我がAX1。その音の変貌振りは予想を遥かに越えるものだった。その劇的とも言える変化を書いてみたい。

旧AX1からの主な変更点は?

1、最新サラウンドフォーマットへの対応

MPEG−AAC プロロジック2(ムービー、ミュージック) DTSディスクリートES DTSネオ6(ムービー、ミュージック) DTS96/24への対応

2、DSP基板の変更

DSPチップを最新バージョンYSS938に変更

音場ポジション数を41(従来のカウント数だと71)に変更

DACを96khz/24bit対応から192khz/24ビット対応に変更

つまり中身はパワーアンプ以外は殆んどAZ1と同じ仕様に変更された事になる。当然だが音もAZ1と同じような音になっていた。

各サラウンドフォーマットの試聴

ロストワールド(輸入DTS−LD) DSPポジション-DTSアドベンチャー
まずは恐竜劇場の恐竜劇場たる一枚から、ch19のT-REX襲撃からトレーラー転落シーン迄を試聴。旧AX1にくらべてT-REXの咆哮や足音の重量感が比べ物にならない程アップしている。ダイアローグに適度な厚みがある。全体的には音の粘着感がアップしながら一段とクリアーな音に仕上がっている。トレーラー転落〜爆破のシーンではBGMの音の広がりや透明感が改善され自然に鳴り響く。旧AX1よりいっそう怖い音に仕上がった感じ。
グラジエーター DSPポジション-DTSスペクタクルES(ディスクリート)
お馴染みch19のコロシアムの戦闘シーン。やはりマトリックスESと比べるとリアの音場感やセパレーションは確実に向上している。音の反射音の質も上がっているので結果として包囲感もアップ。歓声の響きが心地よく響き綺麗に渦を巻きながら消えていく感じ。剣と剣のぶつかり合う金属音がより一層鋭くなった。
ホワット・ライズ・ビニース DSPポジション-ドルビーデジタルジェネラル
ch20のミシェル・ファイファーが浴槽に沈められるシーン。地味で細かい効果音が主だが旧AX1より音の密度が向上、生理的に受け付けたくない音が良くなっているので、さらに恐怖心を煽られる。シャワーから出る水の音がより一層冷徹になっている。風呂場のエコーがより細かく綺麗になった。浴槽に沈みかける場面の水の音に重さがあってリアル。
ワールド・イズ・ノット・イナフ DSPポジション-アドベンチャーEX
ch10のスキーチェイスシーン。出だしのBGMの繊細感がよくなってきめ細かくなっている。音の移動感や爆破音の重量感が旧AX1よりアップ。DTS−ESと比較するとリアの音場感は多少落ちるが、それでも旧AX1より綺麗に広がる。
グリーン・ディスティニー ドルビーデジタル DSPオフ
ch24のお馴染みミシェル・ヨーとチャン・ツィイーの対決シーン。ストレートデコードの音質を確かめる為にDSPオフで試聴。音の移動感や、それに対する反応の良さが感じられる。一音一音の押しが強く、クッキリと明確に描いている。突然の大音量にも破綻しない。デコード性能のアップが良く解る。
スターウォーズEP1 ドルビーデジタルEX DSPオフ
ch31のダース・モールとの対決シーン以降をES/EXのストレート・デコードの音質を確かめる為に、こちらもDSPオフで試聴。やはりグリーン・ディスティニーと同様で音の反応が良い。旧AX1では聞き取りにくかった音も良く出ている。全体的に音の量感やセパレーションが向上。DSPオフでもソフトに入っている情報を完全に引き出している為に、ついつい聞き入ってしまう音に仕上がっている。

やはり噂どおり今回のバージョンアップで生まれ変わった新AX1。引き続きプロロジック、プロロジック2、DTSネオ6も試聴してみた。

クリフハンガーLD ch11の墜落シーンを試聴
70mmアドベンチャー−やはりセパレーションの良さはプロロジック+DSPでも感じられる。音の重量感も旧AX1より断然良い。地面への激突音にLD独特の重みのある音。劇場の音らしさではDTSネオやプロロジック2よりこちらの方がそれらしい。
プロロジック2(ムービー)−リアの包囲感が向上。通常のプロロジック+DSPより音がクリアーで明確になっている。セパレーションの良さはドルデジの初期の製品より優れている。ただDSPが使えない為、フロント音場が平面的になってしまう場面もある。
DTSネオ6(ムービー)−リアセンターも使える為か、前後の移動感がより明確になった。ただ包囲感ではプロロジック2の方がよくでている。やはりパラメーター等で再調整する必要がありそうだ
シンドラーのリストLD ch55 比較的音が地味な作品への効果に注目
70mmジェネラル−フロント音場の音が旧AX1よりも厚みがあり豊か。ダイアローグも低くどっしりと構えた感じ。確実に音の情報量がアップしている。
プロロジック2(ムービー)−リアの音場感やBGMの豊かさが感じられる。

DTSネオ6(ムービー)−リアの奥行感はプロロジック2より良好に感じられた。ただ音の広がり感はプロロジック2の方が良好だった。
ELTライブ NHK−BSより
コンサートビデオPOP/ROCK−旧AX1よりボーカルの質感が感じられるようになった。スクリーンとの一体感は相変わらず良い。多少リアが篭り気味だがホールらしさは一番でていた。
プロロジック2(ミュージック)−持田のボーカルが更にクリアーに聞こえる。リア音場も良好。
DTSネオ6(ミュージック)−傾向としてはプロロジック2と似ているが、リア音場が狭い感じ。やはり再調整が必要かと思う。

上記のフォーマットも非常に完成度が高い。アナログ音源に対しても、ほぼ万全だと思う。それと以外にも3つともセリフの太さがデジタル方式のサラウンドより良く聴こえた事。これは個人的な好みもあるのだろうが、僕はこちらの方が聴きやすく感じる。これはアナログ非圧縮の持ち味か。

最後に

もともとAX1は完成度の高い名機と言える製品だった。それが去年くらいから他社製品と比べ機能的に見劣りがしてきたのも事実。決して音では負けていなかったのだが・・・それが今回のバージョンアップで見事に復活。まるで不死鳥の如く・・・AZ1も良い製品だが、まだまだしばらくAX1との付き合いは続きそうだ。

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